四国のDX支援が「瀬戸内側に偏る」構造|徳島・高知の山間部企業が遠隔DXを必要とする理由

「DXを進めたい。けれど、どこに相談していいか分からない」。四国の中山間で経営をされている方から、本当に多くいただくお話です。

このお話の背景には、四国に固有の地理的な構造があります。IT・Web系の事業所は、四国の中でも特定の地域に集中しているため、それ以外の地域の中小企業は、対面でDXの相談ができる相手が物理的に近くにいない。これは経営者の意欲の問題ではなく、地理の問題です。

このコラムでは、四国のIT事業所の分布、徳島・高知の山間部のDX支援空白、そしてみかもデジタル(徳島県東みよし町を拠点とするDX事業部)が遠隔モデルで取り組んでいる実務を整理します。同じ課題を抱える四国の中山間の経営者の参考になればと思います。

四国のIT事業所は「瀬戸内側」に集中している

総務省・経済産業省の統計を見ると、四国の情報通信業(IT・Web・ソフトウェア開発を含む)の事業所数は、おおよそ次のように分布しています。

  • 香川県(高松市中心):四国の中で最も事業所数が多い
  • 愛媛県(松山市中心):高松に次ぐ集中
  • 徳島県(徳島市・神山周辺):徳島市が中心、神山町にサテライト集積
  • 高知県(高知市中心):高知市以外は事業所数が限られる

並べると一目瞭然ですが、瀬戸内側の県(香川・愛媛)にIT事業所が偏って分布しています。徳島県西部(三好市・東みよし町・美馬市)、徳島県南、愛媛県南予、高知の中山間と西部・東部は、IT事業所が極端に少ないエリアです。

これは「都市の集積」というIT産業の世界的傾向の縮図であり、四国の中でも瀬戸内側の都市部に人材と仕事が集まる構造になっています。

「車で30分で会いに行けるIT会社」がない地域の現実

地方の中小企業がDXを始めるとき、最初に必要なのは「気軽に相談できる相手」です。何を予算化すべきかも分からない段階で、いきなりRFP(提案依頼書)を書ける経営者はほぼいません。

瀬戸内側の市街地に拠点を持つ企業であれば、近所のIT事業者を訪ねる、商工会の紹介で対面打ち合わせを設定する、といった動きが取れます。けれど、徳島県西部や高知の山間部から、高松や松山のIT事業者まで車で行こうとすると、片道2〜3時間。「ちょっと相談」が物理的に不可能です。

結果、こうなりがちです。

  • 知り合いに紹介された都市部の業者に頼むが、距離があって伴走してもらえない
  • 大手SaaSの営業電話で導入を決めたが、現場の業務に合わず使われない
  • 誰にも相談できないまま、紙とFAXとExcelの運用が10年続く

意欲の問題ではなく、支援者との物理的距離が、DXの第一歩を止めているのが四国中山間の現状です。

遠隔DXが「必須」になる地域がある

都市部では「対面DX」と「遠隔DX」は選択肢の比較です。けれど四国の中山間では、対面の選択肢が現実的でないため、遠隔DXが必須になります。

遠隔DXは、Zoomなどのオンライン会議、画面共有、業務マニュアルの非同期共有、リモートでのSaaS設定代行、必要に応じて月数回の現地訪問——これらを組み合わせて進めます。コロナ禍以降、地方の中小企業でも遠隔ツールの心理的ハードルが下がり、現実的な選択肢として成立する条件が整いました。

とはいえ、ただ「Zoomで会議」ではDXは進みません。遠隔でDXを進めるには、対面ベースとは違う設計が要ります。

  • 初回ヒアリングの密度を意図的に上げ、現場写真・帳票・業務動画を事前共有してもらう
  • 1回の打ち合わせで完結するゴール設定にせず、小刻みな短時間打ち合わせを増やす
  • 導入後の「困った」を、その場で画面共有して解決する非同期サポート枠を持つ
  • 月1回程度の現地訪問で、画面では拾えない現場の動きを直接見る

みかもデジタルは、東みよし町の拠点から、徳島県西部・高知山間部・愛媛南予の中小企業さまに、この形の遠隔DX支援を提供しています。「片道2時間圏内に相談相手がいない」地域の企業に向けた支援設計です。

中小企業がDXでまず触るべき3領域

遠隔でも対面でも、最初に効果が見えやすいDX領域は、業種を問わず以下の3つです。

1. 受発注のデジタル化

電話・FAX中心の受発注を、フォーム・LINE・専用システムに置き換える。記録が自動で残り、二重入力が消え、対応漏れが減ります。中小企業のDXで最も投資対効果が出やすい領域です。

2. 予約・問い合わせ管理

カレンダー予約システム、問い合わせ管理(CRMの初歩)を導入する。スタッフ間の予定共有、お客様情報の継続的な記録が一段進みます。サービス業・修理業・整備業で特に効きます。

3. 業務記録・写真の蓄積

現場の作業記録・写真を、紙台帳からスマホアプリ・クラウドストレージに移す。蓄積された記録は、お客様への履歴説明、社内の引き継ぎ、ホームページの実績ページの素材として何重にも使えます。

この3領域に共通するのは、「すでに業務として存在するものをデジタルに置き換える」ことで、新規業務を増やさない点。中小企業がDXで失敗する最大の理由は「新しい仕事が増えて回らなくなる」ことなので、まず置き換えから始めるのが現実的です。

東みよし町から、内陸ルートで届ける

みかもデジタルは、みかもグループのDX事業部として、2026年4月に開設されました。みかもグループは1971年から東みよし町で複数事業を運営しており、その中で自社の7つのサイトを内製で運用する経験を持っています。

外部のIT会社に外注するのではなく、自社でWeb・予約・記録・告知をすべて回している。この経験がそのまま、四国の中小企業の遠隔DX支援に応用できる形になりました。「実際にやっている人が、やったことを伝える」設計です。

徳島県西部・高知の山間部・愛媛の南予から、Webサイト制作、業務システム導入、AI活用、SNS運用、ホームページ更新の内製化まで、遠隔ベースで対応しています。詳細はみかもデジタル公式サイトからご覧ください。

まとめ|地理が変えられないからこそ、関係の作り方を変える

  • 四国のIT事業所は瀬戸内側に集中している(高松・松山)
  • 徳島・高知の山間部から都市部IT事業者までは片道2〜3時間
  • 「対面DX」が物理的に難しい地域では、遠隔DXが必須の選択肢になる
  • 遠隔DXは対面と違う設計(短時間多頻度・現地月1訪問・非同期サポート)が必要
  • まず触るべきは「受発注・予約・記録」の3領域

地理は変えられません。けれど、関係の作り方は変えられます。「遠くにいる人と、近所のように一緒に進める」形のDX支援を、四国の中山間に届けていきたいと考えています。

よくあるご質問(FAQ)

Q: 遠隔DXは対面DXに比べて何が違いますか?

A: 大きな違いは「打ち合わせの取りやすさ」と「現場の見え方」です。遠隔は短時間多頻度の打ち合わせを設定しやすい反面、現場の空気感は直接見られません。みかもデジタルでは月1回程度の現地訪問を組み合わせ、両方の良さを取るようにしています。

Q: 当社はパソコンに詳しい社員がいません。それでもDXは始められますか?

A: はい、始められます。むしろ、まずは経営者と現場の数名でスタートし、操作の負担が増えない範囲で「すでにある業務」をデジタルに置き換えるのが現実的です。新規システムを増やすのではなく、置き換えから始めます。

Q: 高松や松山のIT会社と何が違いますか?

A: 都市部のIT会社は技術の幅と人員規模で優位があります。みかもデジタルは、四国中山間の中小企業の実務文脈と、自社7サイトの内製運用経験という、現場側からの知見で差別化しています。どちらが合うかは事業の段階によります。

Q: 料金体系はどうなっていますか?

A: 月額のWeb運用パック、単発のWebサイト制作、内製化支援、AI導入相談など、用途に応じてご提案します。詳細はみかもデジタル公式サイトでご確認いただくか、みかもグループ お問い合わせからご相談ください。

Q: 高知や愛媛南予の企業も対応してもらえますか?

A: 対応しています。遠隔ベースの支援が中心となるため、徳島県西部以外の四国中山間の企業さまも、同じ枠組みでご相談いただけます。月1回程度の現地訪問の可否は、距離と頻度に応じて個別にご相談します。

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